悲惨なフットボールの母国

 今回の敗退劇。一体誰が悪いのか?一種の魔女狩りが行われ始めた、サッカーの母国イングランド。代表が不甲斐無い試合で、寂しい背中を見せ始めると、必ず起こる、イングランドのプロリーグ(プレミアリーグ)への責任転換。それは、極端に国際化された英国の社会と同様、プレミアリーグにも、外国人選手、指導者が波の様に押し寄せている現状に、帰来する、イングランド国籍を持った選手の活躍の場が無くなりつつあると言う現状だ。

それは、指導者にも波及しており、所謂、ビッグ4と呼ばれる、アーセナルベンゲルは、フランス人。リパプールのベニテスはスペイン人。チェルシーのグラントはイスラエル人。マンチェスターユナイテッドの、アレックスファーガソンは、スコットランド人。また、中堅のクラブでも、サンダーランドのロイキーンは、アイルランド人。ブラックバーンを指揮している、マークヒューズはウェールズ人。英国連合(UK)の監督達は、一瞬、同じように思えるが、全く違う価値観を持ち合わせて、言わば、イングランドにとっては、外人監督だ。


 安い労働力として、外国人を雇用することは、サッカークラブ経営の中でも常識になりつつある昨今、コストが掛かり過ぎる、イングランド人選手に固執する必要もないことへの、クラブ側の現状と、世界最高峰とも言われるプレミアリーグでの出場機会が制限されるイングランド人選手の質の低下が直接悪影響を及ぼす、イングランド代表を総括するFAとの間での、思惑の違いは、この数年繰り広げられるテーマでもある。しかし、プレミアリーグ側も反論する。

http://www.telegraph.co.uk/sport/main.jhtml?view=DETAILS&grid=A1YourView&xml=/sport/2007/11/23/sfnquo123.xml

 

プレミアリーグの中で、355人ものイングランド人がプレーしている。プレミアリーグは世界で最も成功を収めているリーグだ。世界でトップクラスの選手達が凌ぎを削っている。貴方方が、代表選手の質の低下に対して、、プレミアリーグにその矛先を向けるのは、御門違いだ。

 代表の問題を全てプレミアリーグの肩の上に乗せる事は、間違っている。もし、疑うなら、クラブや、選手達を探してみると良い。其処には、相当の数の選手達が存在する。イングランド代表監督が、選択に困る程の、選手達が犇めきあっている

と、プレミアリーグへの、問題転嫁を一蹴した。

 しかし、プレミアリーグに所属する20チームでプレーする選手の60パーセントがイングランド国籍を持っていないと言う、他の国では考えられない程の、数字が報告されており、それは、イタリアの2倍もの数字だ。

 クラブへの外国人の流入は防げない物か?それは、殆ど、EU労働法と言う、法律との間での綱渡りだ。解決するのに、多くの時間と、交渉が必要になってくるだろう。