天才と破滅、挫折は紙一重

 http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/tyne/7256761.stm


 古くから、彼(ポールガスコイン)のメンタルヘルスは問題の一途を辿っていたが、彼には、まだ、拠り所としての丸いボール、フットボールがあった。これについて、ここのコラムでは、彼は、臭い沼地なような、フットボール界に落ちて、身動きができず、もがき苦しみ、息絶えようとしている、可哀想な犠牲者の一人に過ぎないと、綴っているのは、興味深い。

 結局、モダンフットボール界に足を踏み入れると、それは、勝利優先主義にドップリ浸かってしまう。現実社会とはかけ離れた、何のモラル、行動が起こす結果など、そんなことに責任を取る必要がない、言わば、金がなんでも解決してくれる、金が物を言うなんとも、都合の良い、一種の楽園なのだ。しかし、やがて、否応なしに、引退と言う二文字が姿を現し、フットボール界から、足を洗い、現実社会へと係わりを持とうとすると、そのブレが大きな障害になって来る。今回の一件も、彼、個人の問題ではなく、フットボール界、全体の問題として捉えるスタンスだ。

 http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/news/article837619.ece

 因みに、彼は、アルコール以外に、エナジー系ドリンク(栄養ドリンク)、レッドブルも多量に摂取していたことが、彼が最近泊まっていた、ホテルの従業員の証言から明らかになっている。


ポップカルチャーと、スポーツ界での、この一件の意味は違って来ると、このように述べているのも、何とも興味深い。

If Gascoigne is a sad case because he has never really known who he is, or what he wants, Miss Winehouse appears to belong to a different camp. As somebody who bumps along the bottom of this netherworld, where narcotics are a way of life - and death - she knows exactly what she wants. She wants to take drugs, so let her.



 仮に、ガスコインが悲劇のヒロインなら、それは、彼が、自分に対しての自覚がないからだろう。または、何をしたいのか、わからない。其の点、エイミー・ワインハウス嬢は明らかに彼とは、反対の世界に属している。ある人種は、この地獄ような底辺で、刺激的に歌いながら踊っている。其処では、麻薬は、人生、そして死に至るまでの道標だ。そして、彼女は自分が望んでいる物を知っている。そう、彼女は、生きる為に薬が必要なのだ。彼女は、其のままにしておくべきだ。